NEED FOR FLOOD CONTROL

浸水対策の必要性

RISK OF FLOOD DAMAGE

浸水被害は明日あなたの近くで起こるかもしれません

近年、全国で頻発している集中豪雨による浸水被害
地球温暖化やヒートアイランド現象で温められ、水分を多く含んだ空気が引き起こす「集中豪雨」。同じ場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨のことを指します。
その一種である「ゲリラ豪雨」は、より狭い範囲で短時間に降り、予測が非常に難しい局地的大雨であることが特徴です。

豪雨災害はこれからも頻発し、その頻度も高まることが警告されています。
では、集中豪雨が発生した場合に予想される状況とはどうでしょうか?

注意すべき集中豪雨の特徴

01 天気予報だけでは
予測が難しい

現状では、集中豪雨の予測技術には限界があるため、雨量や継続時間の予想が難しいです。

02 浸水対策に対応する
時間が少ない

数時間に渡り豪雨が降り続くと、水かさが一気に増えるため、素早い対応が重要になります。

03 低い土地に
甚大な被害を及ぼす

地面に吸収されず集まった雨水は、道路よりも低い地下街や地下駐車場などへ流れ込みます。

POINT!

もしものときに備えて
浸水対策には、自分の住んでいる地域の特性や過去の事例を把握して、災害に備えることが大切です。
そのため、近年の集中豪雨による都市型災害の実例や傾向、そして日本の水害リスクの現状についてご紹介します。

EXAMPLES OF FLOOD DAMAGE

過去にあった浸水被害実例

令和2年7月豪雨 <R2.7.3〜31 熊本県を中心に九州や中部地方など>

令和2年7月3日から7月31日にかけて、梅雨前線が長期間停滞した影響で西日本から東日本にかけての広範囲に大雨が降り続きました。
特に前線の活動が非常に活発だった7月4日から8日には、熊本県をはじめ、鹿児島県、福岡県、佐賀県、長崎県、岐阜県、長野県の7県において最大級の警戒を呼びかける大雨特別警報が発表され、記録的な大雨を観測しました。その後も前線は本州付近に停滞し、13日から14日にかけては中国地方、27日から28日にかけては東北地方を中心に大雨に見舞われました。
<全国の被害状況:死者84名、行方不明者2名、住家の全半壊等9,628棟、住家浸水6,971棟>
球磨川右岸側 人吉市上青井町(写真提供:国土交通省 九州地方整備局より)
球磨川右岸側 人吉市紺屋町(写真提供:国土交通省 九州地方整備局より)
平常時の撮影
水害時の撮影
令和2年7月4日の青井阿蘇神社周辺浸水状況
左の写真は平常時、右の写真は7月4日氾濫水位推定ピーク時の様子。(写真提供:〈左〉PIXTA、〈右〉国土交通省 九州地方整備局より)
出典:国土交通省ホームページ(https://kumariver-r0207archive.jp/

POINT!

いつでもどこでも、起きる可能性がある
上記の事例の他にも、皆さまの記憶に新しい豪雨災害も多いと思います。
それほど近年は水害が頻繁に起こっており、私たちの身近な危険になっていると言わざるを得ません。
発生したときのことを想定して、日頃からできる対策を整えておきましょう。

FLOOD DAMAGE

近年浸水被害状況について

短時間豪雨の発生件数が約40年間で約1.5倍に増加

地球温暖化に伴う気候変動の影響により、時間雨量50mmを超える豪雨の発生回数は増加傾向にあります。
今後は2倍以上にまで増加することも予測されており、大規模な水災害への懸念が高まっています。
■ 全国[アメダス]1時間降水量50mm以上の年間発生回数
出典:気象庁資料より作成

津波以外の年間水害被害額は、統計開始以来最大に

特に甚大な被害を受けた2019年(令和元年)の被害額は約2兆1,800億円で、記録的な数値となりました。
そのうち、約1兆8,800億円は令和元年東日本台風の被害によるものだと発表されており、1つの台風で受ける損失は今後も計り知れません。
年間の被害額の内訳としては、住宅や生活用品などの一般資産が1兆5939億円(74.2%)、河川や道路など公共土木施設が5233億円(24.4%)、鉄道や水道などの公益事業が304億円(1.4%)でした。

過去の10年の津波以外の水害被害額
出典:国土交通省まとめ

過去10年間に約98%の市町村で水害・土砂災害が発生

下記の地図は、全国の平成22年~令和元年の水害・土砂災害の発生状況を示したものです。
わが国の多くの都市は、地盤沈下や天井川の形成などで高潮や洪水の際の海や河川の水位より低い土地に形成されている場合が多く、河川から水が溢れたり堤防が決壊したりすると大きな被害が生じることになります。
過去10年間に被害に合わなかった地域は、全国でわずか2%だけでした。

平成22年〜令和元年の水害・土砂災害の発生状況
水害・土砂災害が10回以上の市町村
57.7%(1005市区町村)
水害・土砂災害が5〜9回以上の市町村
24.5%(427市区町村)
水害・土砂災害が1〜4回以上の市町村
15.4%(268市区町村)
水害・土砂災害が0回以上の市町村
2.4%(41市区町村)
出典:国土交通省「河川事業概要2022」

都市化により高まる水害リスク

都市化が進み、流域の多くが市街化し、貯留・浸透機能を有する土地が減少したことにより、短時間に多量の表流水が河川に流入するようになるため、雨が降った際の河川の水位上昇が急激になっています。
また、地下鉄や地下街、マンションの地下駐車場など、大都市の駅前周辺では地下空間の高度利用が増えており、それによって街全体が浸水被害を受けやすい構造に年々変化しているといえます。
都市化の進展により短時間に大量の雨水が流出(東京都区部の例)
出典:H23.11月 国土交通省ホームページ
出典:国土交通省「河川事業概要2022」

POINT!

大切なものを守るために
宇根鉄工所では、これらの水害から「私たちの暮らしを守るためにできることはないか」
という想いを通して、さまざまな止水製品の開発に日々取り組んでいます。

集中豪雨が引き起こす水害に備えるため、早めの浸水対策を十分に行いましょう。